M-1審査の実践報告 〜2019大会を採点してみた〜

はじめに

これまで2回にわたってM-1の審査基準を考える投稿をしてきました(→この投稿)。

そこで今回の投稿では、来月にある決勝戦に向けて、2019年大会の審査をしてみた感想をお伝えたいと思います!

いやあ、とても楽しい時間でした!笑

M-1 (2019) を審査してみた

項目点数満点
うねり1620
強さ1620
ネタ・うまさ1620
存在の面白さ1620
タイミング1820
82100

まずは審査項目と初期設定に関して。

項目は以前の投稿で書いたものを採用しました。

審査員の皆さんの点数が90点前後になることが多いので、「タイミング」の得点は初期設定を18にしてあります(18点×5項目=90点になるので)。

その他の4項目は、初期設定を18にしてしまうと減点法のようになってしまい苦しかったので、16に設定し、加点法でつけていきました。

その結果、以下のようになりました。

ニューヨーク> 87/100点

ニューヨークは好きな芸人さんですし、厳しいことは言いたくないのですが、この大会についていえば力を発揮できていなかったように思います。

また、トップバッターということで「タイミング」を3点減点しました。あとの4項目は可もなく不可もなくといった感じで、18点の壁を破ることはなかった印象です。

かまいたち> 96/100点

USJ/UFJのネタ、めちゃくちゃ面白いですよね笑。なので「ネタ・うまさ」の項目は満点にしました。

また、「タイミング」も2番手で早すぎた面もありますが、ニューヨークが跳ねなかったこともあり、かまいたちの実力を見せつけるにはある意味良かったと思います。

和牛> 92/100点

敗者復活からの登場でしたが、さすがの実力でした。また、ネタの種類も見たことがないようなものだったので、「ネタ・うまさ」は満点にしました。

しかし、「タイミング」はというと、素晴らしいパフォーマンスを見せたかまいたちの後であること、そしてこの大会までに3大会連続でストレートに上がってきて2位になっていることをふまえると、2点マイナスとせざるを得ませんでした。

ミルクボーイ> 99/100点

史上最高得点を叩き出したミルクボーイでしたが、改めて見返しても圧倒的ですね。

つかみから最初の「〜か、〜違うか」まではあまりウケていなかったので、「このおじさんたち大丈夫か?」と思ったのを記憶しておりますが笑、そこからのウケが半端じゃなかったです。

「うねり」も素晴らしかったし、「強さ」もあるネタで、そして「ネタ・うまさ」も抜群でした。

「タイミング」としては、見取り図の後で会場が程よく温まっていたのと、またこの当時は売れていなかったので多くの人が初めてみたという状況だったので、20点としました。

唯一1点引いたのが「存在の面白さ」です。このネタはネタが良すぎて誰がやっても面白いということが理由の一つです。もちろん満点でもいいレベルではありましたが、ナイツ塙さんと同じでひとまず満点は控えました笑。

ぺこぱ> 94/100点

初めてみたときは、見たことのない漫才スタイルで衝撃的だったのを覚えています。

「タイミング」としてはインディアンスのあとで会場が温まっていて、かつ最後といういい環境でした。そしてまだ売れていなかったので、多くの人が初めてみたような状況でした。

「強さ」が武器のネタではないことから「強さ」は18点としました。また、観客が松蔭寺さんのキャラを受け入れられていなかったによる爆笑の少なさから、「うねり」も18点にしました。

「ネタ・うまさ」に関しては、うまさでは和牛・かまいたちクラスではないと思いますが、「傷つけない漫才」という新しいスタイルが加点に値するので19点にしました。

「存在の面白さ」は、まだ完全には受け入れられていなかったものの、二人の独特なキャラクターは18点では収まらないと判断し、19点にしました。

<他の芸人>

すゑひろがりず → 87点 (かまいたち・和牛の後は厳しい)

見取り図 → 91点 (見た目の自虐で減点、もう少し伸びてもいい)

インディアンス → 91点 (売れる前なのは良いが、ミルクボーイの後は厳しい)

【決勝戦】※グラフの目盛りは16点から1点刻みにしてあります

ぺこぱ> 93/100点

「タイミング」は連続でネタを披露したところから1点減点しました。

「存在の面白さ」はキャラがはまってきたので満点とし、その点から「うねり」も1点加点しました。

かまいたち> 96/100点

「タイミング」は良くも悪くもないので18点にしました。

「存在の面白さ」は、山内さんのキャラがより発揮されていたのと、濱家さんが笑顔を見せたり観客に話しかけたりしていてよかったので、満点としました。

「ネタ・うまさ」はもちろん安定の満点です。

ミルクボーイ> 98/100点

「タイミング」は1本目ほど良くはないけど一番最後なので、19点にしました。

また、1本目のアドバンテージを活かした話し方をし、キャラを確立したため、「存在の面白さ」は1点加点で満点としました。

一方、ネタのパターンが全く同じなことから、1点減点して19点としました(このパターンが面白いのですが!)。

合計得点は1本目より1点低い98点ですが、やはりNo.1でしたね。当時見ていた時の印象から変わりました。

まとめ

以前考えたM-1の採点基準を、2019年のM-1を見ながら検証してみました。

審査員の皆さんの点数と比べながら審査してみたのですが、我ながら、割といい採点基準運用方法なのではないかと思いました!笑

また、ミルクボーイの2本目のネタをリアルタイムで見たときには、かまいたちが優勝かなと思ったのですが、こうやって点数を5項目に分けて考えると、ネタのパターンが同じという「減点」があったとしても、他の項目で勝っていたのだと理解できました。

もう一年分くらい採点をしてみて、微調整を加えながら今年の決勝戦に向けて備えていきたいと思います:)

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