さて、オンエアからずいぶん時間が経ってしまいましたが笑、ようやく決勝戦の内容まで来ました。
絶好調のバカリズムさんと、サドンデスを勝ち上がってきた西田さん。
どちらも大好きな芸人さんですが、今回はどのような戦いになったのでしょうか?(結果は知っている人が多いと思いますので、内容をお楽しみください!)
第1問
ローマ字表記にすることか?何?
どちらかがIPPONを取れば終わってしまう決勝戦。最初に答えたのは西田さんでした。
「アーイ トゥミマテーン」は惜しくもIPPONならず。
カウンター攻撃を選んだバカリズムさんの「相手は IPPAN-JINです」も爆笑ながらIPPONならず。振り出しに戻りました。
そして次に答えたのは、バカリズムさん。連続での回答です。
「GAIHAN BOSHI」は見事IPPON!笑
言い方を外国人のなまった感じにしていたのが特徴的でした。
バカリズムさんの回答は、まさに「それローマ字にすることか?」と問いたくなる直球勝負でしたね!
第2問
動画でアフレコ
最初に答えたのは西田さん。そしてその回答は見事IPPON!
映像がない中で細かい描写をすることはしませんが、西田さんの回答の秀逸さは、長く引っ張って最後のところでドーンと落としました。それなりの時間がある映像だからこそできる技でしたね!
第3問
頭に「おやおや」を付けて若者に何かいってください。
「若者」がキーポイントかなあと思いました。
「おやおや」は悪い言葉が続きそうな言葉ですが、どこまで悪い言葉にするか、そしてそれがどう「若者」とフィットするかというところだったと思います。
先手を打ったのは、今回初めてバカリズムさん。「おやおや 扶養家族の皆さんじゃないですか〜」はIPPONならず。
テーマに合っていましたが、会場も様子見といった「空気」だったように思います。「空気」は「絶対権を持った妖怪」ですからね (山本, 2018, p. 19)。
次の回答もバカリズムさん。「おやおや 「Z世代チーム」のみなさんおそろいで」もIPPONならず。
言語ゲームマスターのバカリズムさんですから、自ら作った文脈に被せるように似た回答でせめてきましたが、西田さんの回答を見ずに終わらせてしまうには足りない回答だったといったところでしょうか。
「ことば」は「強さ」が大切 (吉村, 2017)ですから、ちょっと「弱かった」のかもしれません。
そしてなんと、次のの回答もバカリズムさん。
「おやおや 新しい価値観だこと」も惜しくもIPPONならず。こうなってくると、方向性を変えないといけないかもしれません。
ここで西田さんが初めて回答。
「おやおや まだまだ尿酸値が低いようで」は見事IPPON!笑
これは「若者」を「尿酸値」で規定してしまおうという発想がとても面白いですし、また「若者」を蔑んでいるようで「尿酸値が低いことへの羨ましさ」のようなものも感じます。とても面白い発想ですね!
バカリズムさんの回答にケチなどつけられませんが、本人も言っていたように少し同じ方向に固執してしまったのかなと思います。
また、「不調和」は笑いに重要(シルバータウン/水谷, 2021)なので、西田さんの「少しずれた若者観」がIPPONになったのだと思います。
第4問
青は一万色あるそうです。この色はなんていう?
最初の回答は優勝まで王手をかけた西田さん。「沖縄 おさしみブルー」
これは惜しくもIPPONならず。「おさしみ」と「お」をつけていうのが西田さんらしい可愛い回答ですね。
ただ優勝するにはまだ弱いといった回答でしょうか。
バカリズムさんが続いて、「ショムニブルー」。
これ見事IPPON!逆王手をかけました。
実は僕はこの「ショムニ」がわからなかったのですが、調べてみたらまさにその色って感じでしたし、これを知っている人からしたら「絶妙」な回答だったのではないかと思います。笑
第5問
ウルトラマン 「あれ、今日は5分戦えるかも?」 どうして?
これは大きく分けて、ウルトラマンの「番組制作者側」と「ウルトラマンの心理」の2つの視点があるように思います。
瞬く間に答えたのはバカリズムさん。
「2時間SP」という番組制作者側の視点の回答で、見事IPPON!これでバカリズムさんの優勝が決まりました。
私の推測ですが、このスピード感がIPPONにつながったのかなと。
回答としては秀逸なわけではないと思いますが、端的な理由として「2時間SP」は面白いし、とても現実的に感じてしまいます。
最初は番組制作者側の視点のように思える回答ですが、ウルトラマンが自分自身で「あ、そうだ今日は2時間特番なんだった」と思い出しているかのようにも思えてきます。
ちなみに西田さんが用意していた回答は、「沖縄帰りでルーズになっちゃった」。
これはさっきの「沖縄おさしみブルー」作った土台があるので、出していたら爆笑でIPPONだったかなと。やはりバカリズムさんの瞬発力が功を奏した最終問題でした。
おわりに
バカリズムさんの優勝で終わったIPPONグランプリ2023。予選から決勝まで、爆笑の嵐でした。笑
またすぐに見たいなと思ってしまうこの番組ですが、次に見る時までにもっとお笑いを見る目を養っていけたらと思います。
今回決勝戦を見ていた思ったのは、やはり予選とは全く違う戦い方が必要だということです。
先にIPPONをとった方がその問題をとるわけですから、悠長に待っているわけにはいきません。とはいえ、バカリズムさんがそうであったように、連続で攻めてもダメな時もあります。
彼らレベルでさえタイミングを見誤ったりするのですから、いかに難しいゲームなのかがわかりますね。いやあ、本当に面白い!!!!
これだからお笑いは病みつきになってしまいますよね^ ^
ではまた来週の更新をお楽しみ?に!
参考文献
ジョナサン シルバータウン/水谷 淳 (2021).『なぜあの人のジョークは面白いのか?: 進化論で読み解くユーモアの科学』東洋経済.
吉村誠 (2017). 『お笑い芸人の言語学: テレビから読み解く「ことば」の空間』ナカニシヤ出版.
山本七平 (2018). 『「空気」の研究』文藝春秋.
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