もう2週間以上前の話になってしまいましたが(いつの間に!!)、中田敦彦さんのダウンタウン松本人志さん批判に関して考えていることをつらつらと書きます。
中田さんが主張したのは、お笑い賞レースの審査員を松本さんが引き受けすぎているといったことでした。だから引っ込んで欲しいと。
これを聞いた「松本信者」陣営が怒るという騒動を引き起こしました。
僕は普段の中田さんの物言いがあまり得意ではないのですが(上から目線にも聞こえるような言い方。ファンの方、すみません。。)、今回言いたいことはなんとなく理解できたように思いました。
おそらく中田さんが言いたかったことは、
「お笑いってもっと自由でいいよね。社会風刺だってしたっていいし、一番面白いとされるベテランから認められるだけが面白いってわけじゃないよね。」
ということなのではないかと僕は推測しています。
だとすると、僕も中田さんの意見に基本的に賛同します。
確かにバラエティ番組を見ていると、かつてダウンタウンさんなどの「レジェンド」が作った(と思われる)「お笑い文化」を踏襲しすぎているように思います。
時代が変わっているにもかかわらず同じようなことをしていては、笑えないどころか引いてしまうようなことにもつながってしまいます。
現に相席スタートの山添さんの炎上やオードリー春日さんの炎上は、レジェンドたちが作ってきたお笑い文化の踏襲の結果のように僕は感じました。
自分の見てきたお笑いが正義であり、それこそが笑いであるといった根底に潜んだ「お笑い観」が、あのような行動につながったのだと思います。
それはつまり、日本のお笑いが何十年も変化していないということを表していると思います。
これがいいとか悪いとか、僕は価値判断ができる立場ではないですが、変化が起きていないということは確かな気がします(この辺の議論は、茂木健一郎氏のご意見をご覧ください)。
もしお笑いも進化をしていくべきという立場なら、今のお笑いを見たら批判をしたくなるのも理解できます。
中田さんの場合、それが超人気のスーパースターである松本さんに原因があるという主張なのでしょう。茂木健一郎さんも同じような立場で日本のお笑いを批判しています。
ここで僕が考えることは二つあります。
一つは、確かにもっとお笑いは自由であって欲しいということです。
単純に、「笑い」は多くの人に届いた方が世の中がハッピーになるからです。そういった意味では、中田さんの主張するように、長年お笑い界を引っ張ってきたレジェンド達が退き、新しい価値観が入ってきてもいい時期なのかもれません。
また、ウーマンラッシュアワーの村本さん、中田さん、キングコングの西野さんのような、いわゆるお笑いの「メインストリーム」ではない人たちを「よそ者」のように考えるのは残念だと思います。
彼らはおそらく、中田さんの批判したような「狭い」お笑い界を窮屈に感じ、もっと「自由」な笑い(エンタメ)を追求したいだけなのだと思います。
彼らのような人たちを受け入れないと、お笑いがより多くの人をハッピーにすることができなくなってしまうでしょう。これはコメディーとしての「お笑い」としてはもったいないことです。
もう一つ思うことは、「やっぱり松本さんは面白いよなあ、そりゃあテレビ側は使いたくなるよなあ」ということです。
僕自身の好みではありますが、やはり松本さんの出ている番組は面白いですし、松本さんが出ているからみた番組も少なくありません。そして賞レースという意味では、松本さんほど後輩想いな先輩芸人はいないように思います。
賞レースでのコメントやその他の言動を見ていると、後輩芸人を育てて輝かせてあげようとしているんだなあと思うことが多々あります。
そういった意味では、松本さんは純粋にお笑いを愛し、その世界に入ってきた後輩達をただ可愛がっているように思います。実際、今回の中田さんの「挑発」もさらりとかわし、むしろウェルカムといった姿勢を示しています。
しかしそれが、茂木さんや中田さんが批判するように、お笑い界を狭め、それに合わない人が「村八分」にされるような構造を生み出してしまっているのかもしれない。これは確かによろしくない。
だとすると、誰かが、そして何かが変わらなければなりません。中田さんは「松本さんが退くこと」をもって改革をしたかったのでしょうが、そのやり方や伝わり方がまずかったのでしょう。
どうすればよいのか、僕にもまだわかりません。
ただ僕は、今のお笑いも好きだし、茂木さんや村本さんが目指すお笑いも等しく価値がある(どちらが上とかではない)と思っています。より多くの人に笑いが届けばいい。ただそれだけを望んでいます。
単純すぎることは承知の上ですが、どちらがいいとかいがみ合うのではなく、お互いの面白さを認め合えばいいのではないでしょうか。
現時点では中田さん、村本さん、西野さん側がマイノリティであることを考えると、マジョリティ側である「伝統的なお笑い」好きな人がもう少し広い心を持っていけば状況は改善されるのではないでしょうか。
そうすれば、より多くの人が笑い、ハッピーになれると思います。月並みな意見ですが、これが1人のお笑いファンである僕の願いです。
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