こんにちは!今日も今読んでいる本の内容を簡単にまとめていきます!
この夏に「笑い」について詳しくなることで、冬のM1の採点基準がいい感じで作れるはず!と思っています。笑
では早速書いていきましょう。
エスニックジョーク
エスニックとは、「民族」という意味です。「エスニック料理」という言葉で知っている方も多いのではないでしょうか:)
さて、エスニックジョークとは何かというと、人種や宗教、歴史や文化をテーマにしたジョークのことです。
想像がつくと思うのですが、そういうテーマはしばしば「差別」につながってしまいますので、日本ではこのようなジョークが嫌われている印象です。
阿部 (2010) は、エスニックジョークを読むには、背景知識と遊び感覚が必要だと述べています。浅い理解でシリアスにエスニックジョークに向き合ってしまうと、「差別」「侮辱」だという理解になってしまうでしょう。
これを読んで、僕はジョークは言う側と聞く側の相互作用なのだと改めて思いました。
よく「日本のお笑いはレベルが低い」といった言説を見ます。僕もそういいたい人たちの言い分もわかるのですが、もしレベルが低いとしたら、「聞き手」である僕たちの問題かもしれません。
僕たちがもっとオープンマインドに、色々なものを知り、受け入れる気持ちがあれば、エスニックジョークももっと取り入れられて、日本のお笑いも多様になっていくのかも知れません(もちろん、人種差別のような笑いは言語道断ですが)。
異文化コミュニケーションと笑い
このテーマを書かれていたのは大島希巳江さんという方で、僕はこの方を今教えている中1の英語の教科書で知りました。
彼女は英語落語をされている方で、いくつか見たことがあるのですがとても面白かったです。
その方が書かれていたのが、「異文化コミュニケーションと笑い」というテーマです。
「異文化」というと何か海外の人と日本人の違いのようなイメージを持ちますが、大島さんも言われているように近くの人も我々にとっては本来は異文化です。
そのような異文化を持つ人々とのコミュニケーションと笑いの関係ですが、やはり「日本人」という「全体」の傾向はあるようです。
たとえば、日本人はいろいろな背景を共有しているので、「言わなくてもわかる」という環境が日本には多いです(高コンテクスト社会といいます)。
ゆえに、笑いにおいても「共感」が大切なのです。
たとえば、先ほど書いたエスニックジョークはあまり日本人にピンとこないことが多く、それゆえにウケないということもあると思います。
また、ネタが「内向き(内輪ネタ)」になりがちだということも書いてありました。これも「共感」できるネタがウケるから、というところに関係があると思います。
これらのことをM1に絡めて考えても、非常に納得がいくと思います。
M1は国民的イベントになっているので、老若男女が笑えないとダメです。よって、エスニックジョークのようなものは受け入れられていません(生放送ということもあると思います)。
また、「内輪ネタ」については、日本国民を「内」から外していけないということが言えると思います。自分が関係ない(=共感しづらい)ネタは、日本のお客さんは笑ってくれないでしょう。
そうなるとM1での勝利は難しいですよね。だから共感できるネタがM1ではウケるのです。
最後になりますが、大島さんはユーモアが自己表現につながり、異文化コミュニケーションに役立つと述べていることを紹介します。
このへんは僕の英語教育ブログでがっつり語りたい内容ですが笑、大事なことなので書いておきました。
ユーモアを持って自分を表現すれば、海外の人にも受け入れてもらえると思います。臆せずどんどんやっていきましょう!
おわりに
安倍剛 (2010) 「エスニックジョークは社会の温度計」, 木村洋二編 『笑いを科学する:ユーモア・サイエンスへの招待』新曜社, pp. 85-97.
大島希巳江 (2010) 「異文化コミュニケーションにおけるユーモアの役割」, 木村洋二編 『笑いを科学する:ユーモア・サイエンスへの招待』新曜社, pp. 98-109.
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