はじめに
もう気づけば12月、2023年最後の月ですね。
ということは!!
M-1グランプリの決勝戦を見られる月ということですね!!!今から楽しみで仕方ありません:)
M-1について、前々回の投稿では「M-12019を審査してみた」について書きました。
審査項目・基準は僕が独自で開発したもので、以下のような内容でした。
<うねり>
- 爆発的な笑いが起きた
- 7〜8割の笑いをベースに、最後にかけてピークを持って来れた
- 「瞬間最大爆笑」が起きた(→ 一番大きな爆笑には加点する形)
<強さ>
- うまさだけでは語れないものがある(「怒り」など)(→ 芸を見させられているというより、何か胸に迫るものがある感じ)
- 次の芸人が出てきても残るインパクトがあった(→ 順番に左右されない、文脈に左右されないインパクト)
- 程よい「毒」(下ネタ含む)があった
<ネタ・うまさ>
- 4分間というルールに合うネタ
- ネタを究め、その熱意が伝わる(決勝:究めたネタを2本揃えたか)
- M1にふさわしいネタ(キャラやギャグに依存しない、「毒」が適量、中途半端な自虐がない、余計な笑いを誘わない、オリジナリティがある)
- うまさが際立っていた(緩急がある(←今回追加)、つかみがスムーズで秀逸、説明的でない、コンビと客の三角形ができる、ボケへの愛情)
- 4分間走り切れた
<存在の面白さ>
- ボケずともボケられる
- 機械っぽくなく、人間味がある
- そのコンビでないとできないパフォーマンス
<タイミング>(運の要素含む)
- 鮮度が高い時期(まだ知名度が高くない、「新しさ」を感じてもらえる)
- 当日の順番(前後が誰になるか、先頭ではない など)
そこで今回は、またこの審査項目を使って、前々回の投稿と同じように2021年大会を審査してみました!
以下がその結果です!
M-1 (2021) を審査してみた
前々回の投稿と同じように、得点の初期設定は以下のようにしました。
項目 | 点数 | 満点 |
うねり | 16 | 20 |
強さ | 16 | 20 |
ネタ・うまさ | 16 | 20 |
存在の面白さ | 16 | 20 |
タイミング | 18 | 20 |
82 | 100 |
<モグライダー> 93/100点
結果的にトップバッターで歴代最高得点を取ることになったモグライダー。
美川憲一さんのネタを、見事な着眼点と技術で仕上げて高得点を獲得しました。
無駄な説明をせずにネタを進め、次第にその面白さに気づいてハマっていくネタでした。
「タイミング」を17点(初期設定より1点だけ減点、本来はマイナス3点くらいにするところ)にした理由は以下の通りです。
- 逆に「トップバッターなのにすごい!」となったから
- 世の中に知れ渡っていなかったから
今売れまくっているもグライダーですが、そのきっかけになった伝説のネタと言えるでしょう。
<ゆにばーす> 90/100点
実力者であるゆにばーすが、当日のいい「タイミング」で登場。
これは期待値が上がってしまいますよね。
ただそのせいなのか、「うねり」が低くなってしまいました。
また、「ネタ・うまさ」ともに素晴らしかったですが、M-1においては「男女ネタ(特に下ネタ)」はよほどうまくやらないと高得点にはつながりません。
また、はらちゃんのキャラは受け入れられていましたが、川瀬名人はこの日はハマっていなかったかな。。
期待値の高さゆえに90点と低めな点数になりました。
<ハライチ> 92/100点
敗者復活枠で上がってきた、M-1ラストイヤーのハライチ。
ストーリーとしては優勝の可能性があったと思いますが、彼らは優勝よりも「自分たちの本当にやりたいネタ」を優先したように見えました。
いつものハライチのネタのスタイルであれば、澤部さんのキャラが際立って、「存在の面白さ」が20点満点になるはずでした。
しかし、岩井さんがぶちぎれる(駄々をこねる?)ようなネタ構成で、一度は会場がうねりましたが、ワンパターンなネタ構成もということもあり伸びはしませんでした。
売れまくっている芸人さんですから、ラストイヤーにやりたいことをやるのも「有終の美」だったのでしょう。
優勝争いから外れましたが、予想外のネタを披露したハライチは、この大会の空気をぶっ壊したのでした。
<オズワルド> 95/100点
僕が知っているM-1のネタの中でも1番を争うほど面白いネタだったと思います!!
「畑中さんが伊藤さんから友達を一人もらう」というネタで、「ネタ・うまさ」の項目は文句なしの満点でした。
オズワルドのネタはパンチが効いているわけではないので、「うねり」「強さ」で満点は難しいかもしれませんが、それでもほぼ満点(19点)でした。
「存在の面白さ」については、個人的には伊藤さんが抑え目だったことが畑中さんを引き立てていて良かったと思います。
それでも満点にならなかった理由は、二人ともが活かされている感じが弱いからですが、人によってはここも満点といえる出来だったと思います。
<錦鯉> 95/100点
雅紀さんが合コンに参加するというネタで、随所に爆笑が起きていたため「うねり」は文句なしの満点でした。
錦鯉は「うまい!」と感じるタイプのネタではないので、ここは19点にしました。
「存在の面白さ」は渡辺さんがもう少し存在感を出せていれば満点でした。
「強さ」は十分でしたが、どつきがすごすぎて少し引いてしまったので19点としました。
<インディアンス> 93/100点
小ボケの嵐で大笑いが起きにくいため「うねり」は19点。
「存在の面白さ」は田渕さんときむさんが両方目立てれば(アンタッチャブルのように)満点かなと。
「ネタ・うまさ」ももう少し「秀逸だなあ」と思わせる場面があれば点数が上がるところだと思います。
【決勝戦】
<インディアンス> 93/100点
1本目と全く同じ点数にしました。
超面白いし、テンポもすごいのですが、優勝には一歩足りないという印象でした。
<錦鯉> 96/100点
一本目と同じように面白かったのですが、違いを感じたのは渡辺さんの存在感と終わり方でしょうか。
猿を捕まえるというネタで、雅紀さんの「おばか」が爆発していたのですが、渡辺さんもしっかりと存在感がありました。
また、「老人はこうやって寝かせて」と渡辺さんが力説しているところを雅紀さんが無視して進む流れが、しっかりと「伏線」として最後に回収されたのも見事でした。
「らいふいずびゅーてぃふる」と雅紀さんが横たわりながら叫んで終わるのもまた斬新で、一本目の静かな終わり方よりも好印象でした。
1本目から崩れることなかったので、1点加点の96点にしました。
<オズワルド> 92/100点
のちに伊藤さんもいっていたように、まさに優勝が目の前から消えていくのがわかるような4分間となってしまいました。
1本目のクオリティが高く圧倒的だったため、期待値の高さも災いしました。
静かな入りはオズワルドらしいのですが、ここからの伸びがなかった。つっこみのワードも的確だが、はまらない部分もあり、心に響くほどのインパクトがなかった。
畑中さんのサイコぶりが活かされてなく、そうなると伊藤さんの「脳解けちゃうよ」「トマト投げて来んない」などの声を張ったツッコミが浮いてしまい、「ワンマン漫才」に見えてきてしまう。
随所にうまいと思うところはありましたが、優勝には届きませんでした。
まとめ
今回も僕が開発した採点項目・基準を使ってみましたが、概ね「正確」な採点ができたと思います。
改めて感じるのは、2本すごいネタを用意する大変さですね。
ミルクボーイは同じ「フォーマット」でネタを入れ替えるだけという発明をしましたが、当日見せるのが「2本」だから飽きられずに優勝を獲得できたともいえるし、あんなに強い2本を持っているのもすごいともいえると思います。
一方、優勝こそ逃しましたが、かまいたちもかなり強いネタを2本揃えていましたよね。あれがいかにすごいことだったか、2021年のオズワルドをみていて再認識しました。
とはいえ、今年もオズワルドにはチャンスがありますよね!!
優勝するなら、決勝まで去年のように敗者復活ではなくストレートで来て、1本目から圧倒的なネタをして、「オズワルドは別格」となることが条件だと思います(「タイミング」の項目が厳しいので)。
今年の戦いも本当に楽しみです:)
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